地方移住でマンションはどうする?「貸す」も考えたけど結局売った理由

都市部マンション、売るか貸すか 移住

地方移住を決めて、我が家がいちばん悩んだのが——都市部に持っていたマンションをどうするかでした。

都市部のマンションは、ありがたいことにそれなりの資産価値があります。だからこそ「売るのはもったいないかも」「いっそ貸して家賃収入を得るのもアリかも」と、いろんな考えが頭をよぎりました。ネットで調べると「貸せば不労所得になる」なんて言葉も出てきて、正直、「貸す」という選択肢も一度は考えました

でも、いろいろ調べて、実際に不動産屋さんにも相談して——最終的に我が家が出した答えは、スッキリ売るでした。

この記事では、共働き+小さい子ども2人の我が家が、なぜ「貸す」を選ばなかったのかを正直に書きます。「家賃収入、ちょっといいかも」と思っている人ほど、知っておいてほしい落とし穴がいくつもありました。


「貸せば家賃収入」——最初はそう思った

移住が決まったとき、頭をよぎったのは「せっかく都市部に持てたマンション、手放すのはもったいないかも」という気持ちでした。資産価値もそれなりに保たれている物件です。

買ったときよりローンも減っているし、貸せば毎月家賃が入ってくる。住宅ローンを家賃で返しながら、いつか戻りたくなったら戻ればいい——。そんなふうに、ぼんやり「貸す」という道も考えていた時期がありました。

でも、調べていくうちに、その「ぼんやりした夢」は次々と現実にぶつかっていきました。


壁①:住宅ローンのままでは、そもそも貸せない

最初にぶつかったのが、これです。

住宅ローンは「自分が住むため」に借りているお金だということ。

つまり、住宅ローンが残っている家を勝手に人に貸すのは、契約違反です。「自分たちが住む」という前提でお金を借りているのに、無断で他人に貸して家賃を取ることはできない、というわけです。

「じゃあ貸せないの?」というと、方法がないわけではありません。賃貸用(不動産投資用)のローンに組み替えるという道があります。でも——

  • 賃貸用ローンは、住宅ローンより金利が高い
  • 組み替えには手間も審査もかかる

ここで早くも、「そこまでして貸す意味あるかな…」という気持ちが芽生えました。


壁②:「貸せますよ」と言う不動産屋もいた。でも——

相談した中には、「うちなら貸せますよ」と言ってくれる不動産屋さんもいました。

正直、ちょっと心が動きました。でも、冷静になって気づいたんです。貸す手続きを進めれば、その不動産屋さんには手数料や管理料が入るということに。向こうにも、貸してほしい理由があるわけです。

だから「貸せますよ」という言葉だけで判断せず、自分たちにとって本当に得なのかを、自分の頭で考えることにしました。そして調べていくと、貸すことのリスクが次々と見えてきたんです。


壁③:一度貸したら、自分の家なのに自由にならない

これがいちばん大きかったかもしれません。

一度人に貸して住まれてしまうと、簡単には出ていってもらえないんです。

借りて住む人の権利は、法律でかなり強く守られています。大家の都合で「来月出ていってください」とは言えない。つまり、「移住がうまくいかなくて、やっぱり戻りたい」と思っても、自分の家なのにすぐには戻れないということ。

「いつでも戻れる保険」のつもりで貸すはずが、逆に自分の選択肢を縛ってしまう。これは想定外でした。


壁④:空室リスクとメンテ費——貸すのはラクじゃない

さらに、貸すというのは「ほっといてお金がまるごと入る」ものでもありませんでした。

  • 空室リスク……借り手がいない月は、家賃はゼロ。でもローンや管理費・修繕積立金は出ていく
  • メンテナンス費……設備が壊れれば、直すのは大家の負担。エアコン、給湯器、水回り…どれも安くない
  • 管理会社への管理料……入居者対応や家賃の集金は、ふつう管理会社に任せます。自分で動かなくていい代わりに、毎月の家賃から管理料が引かれます

たしかに、入居者からの連絡や家賃の集金は、管理会社に任せれば自分が直接やることはありません。でも、その手軽さと引き換えに手数料という形でお金は出ていく。「家賃収入まるごと自分のもの」ではないんです。不労所得どころか、けっこうな“コスト”がかかるんだと分かってきました。


決め手:何より「脳のリソース」を奪われると気づいた

そして、最後の決め手はお金の計算ではありませんでした。

たしかに、日々の管理は管理会社に任せられます。でも、「持ち続ける」という判断そのものは、ずっと自分についてまわります。空室が続いたら家賃を下げるか、古くなった設備を更新するか、管理会社は信頼できるか、そもそもこの資産をいつまで持ち続けるのか——。大きな判断は、結局すべて大家である自分に返ってくる。

こうした「遠くの家のこと」が、頭の片隅にずーっと居座り続けるんです。私たちは、移住して新しい生活に集中したくて引っ越すんです。なのに、貴重な脳のリソース(考える余力)を、ずっと遠くの家に取られ続ける。それって、本末転倒じゃないか。

お金の損得を超えて、この「身軽になりたい」という気持ちが、最後に背中を押しました。


だから我が家は、スッキリ売った

こうして、ひとつずつ壁を確かめていった結果——我が家の答えは、はっきりしました。

貸すより、売る。

家賃収入という不確かなものを追いかけるより、いったんキレイに手放して、心も家計も身軽にして、移住後の生活に全力を注ぐ。これが我が家にとっての正解でした。

実際に売ってみて、その判断は間違っていなかったと思っています。頭の中から「あの家、どうしよう」が消えただけで、こんなに軽くなるのか、と。


「売る」と決めたら、まずは相場を知るところから

もし、あなたも我が家と同じように「貸すより売ろうかな」と傾いてきたなら、最初の一歩は自分の家がいくらで売れそうか、相場を知ることです。

ここで金額の感覚をつかんでおくと、「売る・貸す」の比較もより具体的になりますし、いざ売るとなったときの判断もスムーズです。我が家が実際にどう売ったか——一括査定から、約3か月半・180万円値下げで成約するまでの全記録は、別の記事に詳しくまとめています。

👉 【地方移住×持ち家】マンション売却のリアル全記録
「貸す」をやめて「売る」に進む人は、こちらが実践編です。一括査定の使い方から、査定額のからくり、値下げの決断まで、我が家のリアルを公開しています。


まとめ|移住でマンションを「貸さなかった」理由

最後に、我が家が「貸す」を選ばなかった理由をまとめます。

  • 住宅ローンのままでは、原則貸せない。 貸すなら金利の高い賃貸用ローンへの組み替えが必要で、手間がかかる
  • 「貸せますよ」の言葉だけで判断しない。 不動産屋にも貸してほしい理由(手数料)がある
  • 一度貸すと、簡単には退去させられない。 戻りたいタイミングで自分の家に戻れる保証がない
  • 空室リスク・メンテ費・管理料がのしかかる。 管理は管理会社に任せられるが、その分お金は出ていく。家賃収入は丸ごと残るわけではない
  • 何より「資産をどうするか」で脳のリソースを奪われる。 移住後の生活に集中したいのに、遠くの家のことがずっと頭に残る

持ち家を「貸す」のは、一見おいしそうに見えて、実はハードルも負担も大きい選択でした。我が家は迷った末に「売って身軽になる」を選び、結果的にこれで正解だったと思っています。

もし同じように迷っているなら、まずは自分の家の相場を知ることから始めてみてください。判断材料がそろえば、答えはきっと見えてきます。


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