【地方移住✕仕事】仕事を変えずに移住できた話——「転職しない移住」と「転職する移住」の選択肢を全部書く

仕事を変えずに移住できた話のアイキャッチ画像 移住

地方移住を考えはじめたとき、たぶん一番大きな壁になるのが「仕事、どうする?」だと思います。

家は借りればいい。車は買えばいい。でも仕事だけは、「向こうに着いてから考えよう」というわけにはいきません。収入が途切れれば、移住どころか生活が止まってしまうからです。

僕は2025年に、家族4人で都市部から山口県へ移住しました。そして仕事は——変えていません。転職していないんです。

この記事では、「なぜ転職せずに移住できたのか」という僕の実体験と、そこから見えてきた「移住×仕事」の選択肢の全体像を書きます。先に断っておくと、僕のケースはかなり恵まれています。だからこそ、「同じ手が使えない人はどうするか」まで含めて、正直にまとめました。

結論:まず「仕事を変えずに移住できないか」を疑ってみる

先に結論です。移住と仕事の組み合わせは、大きく3パターンあります。

  1. 仕事を変えずに移住する(社内の異動・転勤制度、リモートワーク)
  2. 転職して移住する(移住前に次の仕事を決めてから動く)
  3. 移住してから仕事を探す(おすすめしない。リスクが大きい)

多くの人は「地方移住=転職」と思い込みがちですが、順番が大事です。まず①の可能性を調べて、なければ②。③は避ける。これが、実際に移住してみた僕の結論です。

順番に話していきます。

僕が「転職せずに」移住できた理由

僕は全国に拠点のある組織で働いています。この手の組織には、別の地域の拠点へ異動できる制度があります。いわゆる転勤ですね。

普通、転勤というと「会社の都合で飛ばされるもの」というイメージだと思います。でも逆に言えば、「自分から希望を出して、行きたい地域に移る」という使い方もできるんです。

僕の場合、妻の実家がある山口県の近くに拠点があったので、そこへの異動を希望しました。もちろんすぐ通るとは限りませんし、タイミングや空きにも左右されます。それでも、

  • 収入が途切れない(雇用は継続したまま)
  • キャリアがリセットされない(勤続年数も退職金もそのまま)
  • 「移住に失敗したら無職」というリスクがない

この安心感は、何ものにも代えがたいものでした。移住って、家探し・引っ越し・子どもの転校と、ただでさえ不確定要素だらけです。そのなかで「仕事だけは確定している」というのは、精神的にめちゃくちゃ大きかった。

ちなみに、移住の時期を「今」にした決め手は、仕事ではなく家族の時間でした。義理の両親が元気で、子どもが小さいうちに——という話は移住して本当によかったことに書いたので、この記事は仕事の話に絞ります。

正直に:僕のケースは恵まれている

ここまで読んで、「いや、そんな都合よく移住先に拠点なんてないよ」と思った人も多いはずです。そのとおりで、僕のケースはかなり恵まれています。

  • 全国に拠点のある組織に、たまたま勤めていた
  • 移住先(妻の実家の近く)に、たまたま拠点があった
  • 異動の希望が、通った

この3つがそろったのは、実力というより運です。だからこの記事は「あなたも異動で移住しよう!」という話ではなく、「こういう選択肢が存在することを、まず知ってほしい」という話です。

地方移住で収入はどうなる?——正直、我が家は減った

そしてもうひとつ、検討中の人が一番気になるであろう収入の話を、先に正直に書いておきます。

我が家の世帯収入は減りました。減ったのは主に妻の収入です。移住にともなって妻の働き方が変わったので、ここは移住の「コスト」として正直に書いておきます。

じゃあ僕自身の給料はどうかというと、今のところ移住前とほぼ同じ水準です。ただ、これも手放しでは喜べません。異動にともなう手当のおかげで、数年間だけ移住前の水準が保たれている状態だからです。手当の期間が終われば、昇任でもしない限り収入は下がる見込み。つまり「仕事を変えない移住=収入も安泰」ではないんです。同じ道を検討する人は、「移住後の収入がその後どう変わるか」まで会社の制度を確認しておくことを強くおすすめします。

それでも我が家の家計がプラスに転じたのは、住居費を中心に固定費が大きく下がったから。地方移住のお金は「収入がいくら減るか」と「支出がいくら減るか」のセットで考えるのが大事です。このあたりの数字はインフレ時代に地方移住を選んだ理由に書いています。

選択肢①:仕事を変えずに移住する方法

僕のような「異動」以外にも、仕事を変えずに移住する道はあります。心当たりを順にチェックしてみてください。

社内の異動・転勤制度を調べる
全国に支社・支店・拠点がある会社なら、まず人事制度を確認。「自己申告制度」「社内公募」「勤務地希望」など、名前は会社によって違いますが、自分から手を挙げられる仕組みがある会社は意外と多いです。上司や人事に相談する前に、制度として存在するかをこっそり調べておくのがおすすめ。

リモートワークで「仕事はそのまま、住む場所だけ変える」
コロナ以降、フルリモートや「月数回だけ出社」を認める会社が増えました。今の会社がリモート可なら、転職ゼロで移住できる最有力ルートです。ただし「出社に戻す」方針に変わるリスクはあるので、就業規則上どこまで認められているかは要確認。

「全国組織」という働き方を、次の転職の軸にする
今すぐは無理でも、「全国に拠点がある組織で働く」こと自体を将来の選択肢にする考え方もあります。金融・インフラ・大手メーカー・公務員などは全国に拠点があり、「働きながら住む場所を変えられる」業界です。移住願望が少しでもあるなら、キャリア選びの軸のひとつになると思います。

選択肢②:転職して移住する

社内に道がなければ、転職です。ここで鉄則がひとつ。

「移住してから探す」ではなく、「決めてから移住する」。

地方は都市部より求人の数が少なく、職種も偏ります。着いてから「思ったより仕事がない」と気づくのが、移住失敗の典型パターンです。無収入の期間をつくらないためにも、内定をもらってから引っ越すのが基本です。

そのために使えるのが転職エージェントです。無料で使えて、地方の求人は特に「表に出ていない求人」をエージェントが握っていることが多いので、移住を考えはじめた段階で登録だけしておくのが賢い動き方だと思います。

  • リクルートエージェント——求人数が最大級。地方の求人も網羅していて、まず登録するならここ
  • doda——エージェントとサイト検索の両方が使える。地方求人の検索がしやすい
  • ヒューレックス——地方・UIターン転職に特化。地元企業とのつながりが強い

登録して求人を眺めるだけでも、「移住先で自分の職種の求人がどれくらいあるか」「年収相場はいくらか」がわかります。移住の実現可能性を測る”ものさし”として使うだけでも価値があります。

選択肢③:移住してから探す——はおすすめしない

「なんとかなるでしょ」で移住してから仕事を探すのは、正直おすすめしません。

  • 求人が少ないので、探す期間が読めない
  • 無収入の期間は、貯金と精神を確実に削る
  • 「仕方なく」選んだ仕事は、移住そのものへの後悔につながりやすい

例外は、貯金にかなりの余裕がある人や、手に職があってどこでも働ける人。そうでないなら、①か②で「仕事を決めてから動く」が原則です。

番外編:地域おこし協力隊・移住支援金・起業という道

「選択肢を全部書く」と言った手前、僕自身は選ばなかった道にも触れておきます。

地域おこし協力隊
自治体に任用されて、給料をもらいながら1〜3年、地域の仕事(観光、農業、情報発信など)をする国の制度です。「収入を確保しながらのお試し移住」に近い使い方ができるのが最大の魅力。ただし任期があるので、「任期が終わったあと、その土地でどう食べていくか」までセットで考えておく必要があります。

移住支援金とセットの就職
東京圏からの移住+対象求人への就職など、条件を満たすと支援金(世帯で最大100万円+子ども加算)が出る制度があります。ただし条件はかなり細かくて、ちなみに我が家は対象外でした。「もらえたらラッキー」くらいの距離感でいるのが安全です。

起業・フリーランス
手に職があって場所を選ばず稼げる人は、そもそも「仕事の壁」が一段低いです。自治体によっては起業支援の補助金を出しているところもあるので、移住先候補の自治体サイトはのぞいてみる価値があります。

まとめ:仕事の答えが出ると、移住は一気に現実になる

最後にもう一度、選択肢を整理します。

🏢 仕事を変えずに移住する

  • 社内の異動・転勤制度(僕はこれで移住しました)
  • リモートワーク
  • → まずここから調べる。キャリアも収入も途切れない

💼 転職して移住する

  • 「決めてから移住」が鉄則。内定をもらってから引っ越す
  • 転職エージェントは、求人相場を知る”ものさし”としても使える

⚠️ 移住してから探す

  • 無収入期間のリスクが大きく、おすすめしない

🌱 番外編

  • 地域おこし協力隊=収入つきのお試し移住。ただし任期後まで考えて
  • 移住支援金は条件が細かい。「もらえたらラッキー」の距離感で

そしてもうひとつ。仕事を変えない移住でも、「収入も安泰」とは限りません。我が家も世帯収入は減りました。「収入がどう変わるか」と「支出がどう変わるか」をセットで見積もるのが、移住のお金の基本だと思います。

移住の検討って、家・お金・子どもの学校といろいろありますが、仕事の答えが出た瞬間に、移住は「夢」から「予定」に変わります。僕自身、異動の目処が立った日から、家探しも引っ越しも一気に動き出しました。

まずは自分の会社の制度を調べること。なければ、移住先の求人を眺めてみること。その小さな一歩が、移住の最初の一歩になるはずです。

移住が「予定」になったら、次はやることリストの出番です。移住のやることリストお金の話もあわせてどうぞ。

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