「地方移住、やってみたい。でも——何から手をつければいいの?」
これ、移住を考え始めた人が最初にぶつかる壁だと思います。住まい探し、役所の手続き、子どもの転校、車、銀行、そして持ち家の売却……。やることが多すぎて、頭の中がこんがらがってしまう。我が家もまさにそうでした。
この記事では、4人家族(夫婦+子ども2人・共働き)で2025年に都市部から山口県へ移住した我が家が、実際にやったことを「時系列」で全部公開します。とくに、いちばん悩んだ「持ち家マンションの売却」について、我が家がたどり着いた「引っ越してから売る」という方法を、正直に紹介します。これから子連れで移住する人の、最初の地図になればうれしいです。
移住の「やること」は、3つの時期に分けると迷わない
まず最初に、全体の地図をお見せします。移住の「やること」は、ごちゃ混ぜに考えるとパンクします。でも、3つの時期に分けると一気に整理できます。
- 【移住前】……住まい探し、銀行、車、子どもの学校の事前連絡など、引っ越しの”前”に動いておくこと
- 【引っ越し直前〜当日】……役所の転出届、ライフラインの手配、引っ越し業者など、引っ越しに直結する手続き
- 【移住後】……転入届や子どもの転入学など、移住先に着いてからやること
そして、この3つの時期をまたいで動いたのが、持ち家マンションの売却でした。我が家はこれを「引っ越してから」進めたのですが、これが大正解だったので、後ほどたっぷり書きます。
では、時期ごとに見ていきましょう。
【移住前】に済ませておくこと
引っ越し後はとにかくバタバタします。だから、前もって動けるものは移住前に片づけておくのが鉄則です。我が家が移住前にやったのは、おもに4つ。
なお、これら全部の大前提になる「仕事をどうするか」については、仕事を変えずに移住できた話で選択肢をまとめて書いています。
① 住まい探し(賃貸の内見)
地方の賃貸選びは、都市部とは見るポイントが違います。我が家がいちばん優先したのは、長男の小学校からの近さでした。こどもの通学のしやすさを軸に、住まいを決めました。
もうひとつ、地方で見落としがちなのが駐車場の台数。地方は1人1台が基本ですが、正直に言うと我が家がそれを痛感したのは引っ越した”あと”でした。当初は1台で足りるつもりが、住んでみて「これは2台ないと回らない」と気づくことに。(このあたりの顛末はは【地方移住×車】2台必須の田舎暮らし、カーリースは割高だった話に詳しく書いています)。これから住まいを探す人は、駐車場が2台分とめられるかも最初から見ておくと安心です。
② 銀行まわりを「移住前」に整える(これが超重要)
地方はメガバンクの店舗が少なく、口座まわりで地味に詰みます。移住前にやっておくべきことが3つあります。
- ネット銀行の口座開設……カードが届くまで数日かかるので、移住”前”に。詳しくは【地方移住×ネット銀行】移住者に銀行選びが超重要な理由へ
- ゆうちょ銀行の口座開設……地方では子どもの集金や引き落としが「ゆうちょ・地銀限定」のことが多く、ゆうちょ口座があると本当に助かります。我が家は妻のゆうちょ口座があったおかげで救われました。すでに持っている人はそのまま活用。持っていない人は、住所変更の手間がないので開設は移住後でOK。
- メガバンクなど不要な口座の解約……これは盲点でした。解約は窓口に行かないとできないことが多いのに、移住先にはメガバンクの店舗がほとんどない。「都市部にいて窓口が近いうちに解約しておけばよかった」と心底思いました。使わない口座は、移住前のうちに整理しておくのがおすすめです
③ 車の準備の検討
地方は完全な車社会。我が家は移住を機に2台目が必要になりました。リースか中古一括購入か、ここは家計に大きく効くので早めに検討を(→車の記事)。
④ 子どもの転校・転園の事前連絡
今通っている学校・園と、移住先の学校・園の両方に、早めに連絡を入れておきます。必要な書類や手続きの流れを先に聞いておくと、あとがスムーズです。
【引っ越し直前〜当日】の手続き
引っ越しが近づいたら、こんどは引っ越しそのものに直結する手続きです。
- 役所で転出届……引っ越し前の市区町村役所へ。転出証明書をもらいます(移住後の転入届で使います)
- ライフラインの手配……電気・ガス・水道の停止と開始。新居は開始/旧マンションは内覧で必要なので止めずに残した(停止は売却後)。ネット回線は、賃貸によっては最初から使える場合があります(我が家はこれで助かりました)。備え付けが無い物件は、開通に時間がかかることもあるので早めに申し込みを
- 引っ越し業者……長距離になることが多いので、複数社の見積もりを取って比較するのがおすすめ

【この記事の主役】持ち家マンションは”引っ越してから”売った
さて、ここからが我が家の移住でいちばん悩み、いちばん工夫したところです。それが、住んでいた持ち家マンションの売却でした。
住みながら売るのは、子育て世帯にはしんどい
持ち家を売るとき、ふつうは「まだ住んでいる状態」で売りに出します。買い手が現れたら、その都度、家の中を見てもらう(内覧)。これが当たり前のやり方です。
でも、よく考えてみてください。子どもがいる家で、住みながら内覧対応をする——これ、想像以上にしんどいんです。
- 子どもがいると、家はどうしても散らかる。内覧のたびに完璧に片づけるのは至難の業
- 「明日、内覧に行ってもいいですか?」と、買い手の都合で急に予定が入る。こちらの生活は後回し
- 自分たちの生活感あふれる暮らしぶりを、見知らぬ人に見られるという、地味な精神的ストレス
売却活動はいつ買い手がつくか分かりません。その間ずっと「いつ内覧が入っても大丈夫なように」と気を張り続けるのは、共働き子育て世帯にはかなりの負担でした。
我が家の答え:先に引っ越して、空き家にしてから売った
そこで我が家が選んだのが、「先に山口へ引っ越してしまって、マンションを空き家にしてから売る」という方法でした。
具体的には、こうです。引っ越しを済ませて家を空にしたあと、マンションの鍵を不動産業者さんに預け、そこから先の内覧対応〜売却までを全部おまかせしたのです。
これが、本当に良かった。メリットを並べると——
- 生活を邪魔されない:もう住んでいないので、急な内覧の連絡に振り回されることがゼロ。新生活の準備に集中できた
- きれいな状態で見せられる:生活感のない空っぽの部屋は、買い手にとっても見やすく、印象が良い。片づけに追われることもない
- 内覧の様子をカメラで後から確認できた:これが圧倒的な安心感でした。空き家なので留守中に内覧が行われるのですが、その様子をカメラで録画してもらえて、あとから自分たちで見返せる。「どんな人が、どこを気にして見ていたか」が分かって、遠く離れた山口にいても不安がありませんでした。
「住みながら売る」のが当たり前だと思い込んでいましたが、子連れ移住なら、引っ越してから売るほうが断然ラク。これは声を大にして伝えたいポイントです。
任せられる不動産屋さんに出会えたことが、いちばん大きかった
ここまでスムーズにいったのは、ひとえに信頼して丸投げできる不動産業者さんに出会えたからです。遠隔で鍵を預けて売却まで任せるわけですから、業者選びがすべてと言っても言い過ぎではありません。
ちなみに我が家は、売却の相談を移住の1年ほど前から始めていました。早めに動いたおかげで、業者さん選びも含めて気持ちに余裕を持って進められたと思います。持ち家がある人は、移住を考え始めたら早めに相談に動いておくのがおすすめです。
ちなみに、このマンション売却で得たお金を、その後どう運用したか(新NISAや高配当株の話)は、長くなるので別の記事でじっくり書きました。

【移住後】に待っている手続き
無事に引っ越したら、移住先での手続きが待っています。
- 役所で転入届……引っ越し後14日以内に、移住先の役所へ。転出証明書を持っていきます
- 児童手当・マイナンバーの住所変更……子育て世帯は児童手当の手続きも忘れずに
- 子どもの転入学手続き……小学校・保育園・学童など。移住前に連絡しておいた流れに沿って進めます
- 子ども関係の引き落とし口座……保育園や習い事の引き落としが「地銀・ゆうちょ限定」で、メインのネット銀行が使えない問題にぶつかります。我が家は楽天銀行の自動振込で解決しました(→【楽天銀行】月謝も積立も毎月自動・おまかせ振込予約で支払いを自動化)
移住して分かった「やっておけばよかった」こと
最後に、我が家のしくじりも正直に共有します。これから移住する人は、ぜひ先回りしてください。
- メガバンクの解約を、都市部にいるうちに済ませておくべきだった:これがいちばんの反省です。解約は窓口に行かないとできないことが多いのに、移住先にはメガバンクの店舗がほとんどない。「窓口が近かったあの頃に解約しておけば……」と、移住後に何度も思いました
- ゆうちょ口座の大切さを、もっと早く知りたかった:我が家は妻のゆうちょ口座があったから助かりましたが、もし無かったら、地方の引き落とし対応で本当に詰んでいました。持っていない人は、移住後の早いうちに開設をおすすめします
教訓はシンプルで、銀行まわりは「窓口が近い移住前」にこそ動くべきということ。メガバンクの解約は、都市部にいるうちに片づけておくと、移住後がぐっとラクになります。
まとめ:子連れ移住「やることチェックリスト」
最後に、この記事の全部をチェックリストにまとめます。これを上から順にこなしていけば、迷いません。
📦【移住前】
- ☑ 住まい探し(駐車場の台数を必ず確認 →車の記事)
- ☑ ネット銀行の口座開設(移住”前”が正解 →銀行の記事)
- ☑ メガバンクなど不要口座の解約(窓口が近い”今”のうちに)
- ☑ 車の準備の検討(地方は1人1台 →車の記事)
- ☑ 子どもの転校・転園の事前連絡
🚚【引っ越し直前〜当日】
- ☑ 役所で転出届(転出証明書をもらう)
- ☑ ライフライン(電気・ガス・水道・ネット回線)の手配
- ☑ 引っ越し業者の一括見積もり
🔑【持ち家の売却】← 子連れなら”引っ越してから”がラク
- ☑ 空き家にしてから鍵を預け、内覧〜売却を丸投げ
- ☑ まずは一括査定で”信頼できる担当者”を見つける
🏡【移住後】
- ☑ 役所で転入届(14日以内)・児童手当・マイナンバー住所変更
- ☑ゆうちょ銀行の口座開設(持ってない人は)
- ☑ 子どもの転入学手続き
- ☑ 子ども関係の引き落とし口座を整える(→おまかせ振込の記事)
子連れの地方移住は、やることが多くて大変です。でも、時期ごとに分けて、前倒しで動けば、ちゃんと回ります。とくに持ち家がある人は、「引っ越してから空き家にして売る」という選択肢があることを、ぜひ覚えておいてください。我が家にとっては、これが移住をぐっとラクにしてくれた、いちばんの工夫でした。
なぜ我が家がそもそも地方移住を選んだのか——その全体像は【地方移住×お金】インフレ時代に、あえて地方移住を選んだ理由に書いています。あわせてどうぞ。



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