高配当株、利回り何%を狙う?銘柄名を出さずに“選び方の基準”を全公開【新NISA】

移住

前回の記事で、我が家が新NISAと高配当株でどう運用しているかを公開しました。そのなかで「高配当株はセクター分散を意識して約40銘柄に分けている」と書いたところ、自分でも改めて思ったことがあります。

——「結局、その40銘柄ってどうやって選んだの?」という話を、まだしていなかったな、と。

そこでこの記事では、我が家が高配当株を選ぶときに実際に使っている「選び方の基準」を、できるだけ正直に公開します。

最初にお断りしておくと、この記事では具体的な銘柄名は一切出しません。「この株を買いましょう」というおすすめ記事ではなく、「どういう“考え方”で選んでいるか」をお伝えする記事です。銘柄は人それぞれ。でも“選び方の軸”は、誰にとっても参考になるはずだからです。

※前回の運用全体の話はマンション売却益1800万円を、新NISAと高配当株でこう運用したにまとめています。この記事は、その「高配当株の選び方編」です。

※この記事は我が家の体験と考え方を記録したもので、特定の銘柄・投資を勧めるものではありません。投資は元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。


まず大前提——利回りは「何%」を狙う?

高配当株を選ぶとき、いちばん最初に気になるのが配当利回りです。利回りとは、株価に対して年間どれくらいの配当がもらえるかの割合。たとえば利回り4%なら、100万円分を持っていれば年4万円の配当、ということです。

我が家が理想としているのは、利回り4%以上。これくらいあると「配当でしっかり潤っている」という実感が持てます。

ただ、正直に言うと、我が家の高配当株全体の利回りはだいたい3.9%前後。理想の4%を、ほんの少しだけ下回っています。

理由は、このあと詳しく書きますが——利回りの数字だけでは選んでいないからです。利回りが少し低くても「これは持っていたい」と思える企業を、あえて組み入れている。その結果、全体の利回りは理想よりちょっとだけ下がっている、というわけです。

ここがまさに、この記事でいちばんお伝えしたいところ。我が家の高配当株は「利回りの高さ」だけで選ぶものではない、という話です。


注意——「高利回り」には“罠”がある

「利回りが高いほどいいなら、いちばん利回りの高い株を買えばいいのでは?」

そう思いますよね。でも、ここに大きな落とし穴があります。利回りが異常に高い株は、危険なサインのことがあるのです。

たとえば利回りが8%、10%といった、やけに高い数字の株。一見お得に見えますが、こんな理由が隠れていることがあります。

  • 株価が大きく下がっている … 利回りは「配当 ÷ 株価」で計算されるので、株価が暴落すると見かけの利回りだけが跳ね上がる。会社の業績が悪化している、もしくは大きな不祥事があったサインかもしれません
  • 無理して配当を出している(タコ配当) … 利益が出ていないのに、過去の蓄えを取り崩して配当を払っている状態。長くは続かず、いずれ減配(配当の引き下げ)になりやすい
  • 一時的な特別配当 … その年だけの特別な配当で、翌年からは大きく下がる
  • 株式分割した直後の銘柄 … 最近は個人投資家を取り込む狙いで、株式分割をする会社がとても増えています。ただ分割の直後は人気で株価が一時的に過熱して割高になりやすく、配当や利回りの表示も分割への反映が追いつかず、実態とズレて見えることがあります。数字が落ち着くまで、分割直後の飛びつきは避けるのが無難です

高い利回りに飛びついた結果、買ったあとに減配されて、配当も株価も両方下がる——これが高配当株でいちばんやってはいけない失敗です。

だから我が家は、「利回りが高すぎる株はむしろ警戒する」というスタンス。狙うのは、無理なく払い続けられている、地に足のついた4%前後なのです。


【選び方の軸その1】数字で見る——我が家の4つのチェック

では、利回り以外に何を見ているのか。我が家が銘柄を見るときにチェックしている、4つの基準です。むずかしい分析はしません。初心者でも見られるポイントだけに絞っています。

① 配当を減らした過去がないか(配当の安定性)

いちばん大事にしているのがこれ。過去に減配(配当の引き下げ)をしていないかを見ます。

景気が悪い年でも配当を維持してきた会社、あるいは毎年配当を増やしてきた会社(連続増配)は、それだけ「株主への還元を大事にする姿勢」が強い。一時の高利回りより、「長く安定して払い続けてくれるか」を重視しています。

② 無理して配当を出していないか(配当性向)

配当性向とは、会社の利益のうち、どれくらいを配当に回しているかの割合です。これが高すぎる(たとえば100%近い)と、利益のほとんどを配当に回していて、余裕がない状態。何かあればすぐ減配につながります。理想は50%程度まで。

利益にちゃんと余裕を残しながら配当を出している会社のほうが、安心して持てます。

③ 業績・財務が安定しているか

そもそも会社が儲かっていなければ、配当は続きません。売上や利益がここ数年右肩上がりか——目安として営業利益率10%以上、ROE(自己資本利益率)8%以上かをチェックします。

あわせて見るのが財務の健全性です。借金に頼りすぎていないかを示す自己資本比率は、理想で70%以上。ここが高いほど借入が少なく、不景気で一時的に業績が落ちても、配当を払い続ける体力があると判断できます。

④ 利回りが“妥当な範囲”か

①〜③をクリアしたうえで、利回りが4%前後の妥当な範囲にあるか。前述のとおり、高すぎる利回りはむしろ警戒対象。地味でも、無理なく払い続けられている水準を選びます。


【選び方の軸その2】数字じゃない——「身近さ・応援できるか」で選ぶ

ここからが、我が家らしい部分かもしれません。

数字のチェックも大事ですが、我が家は「その会社が好きか、応援したいか、生活で身近か」という、数字に表れない軸も大切にしています。むしろ、この軸があるから投資を楽しく続けられているのかもしれません。

具体的には、こんな企業を選んでいます(※あえて銘柄名は出さず、種類でお伝えします)。

  • よく使う鉄道会社 … 株主優待で運賃が割引になる。移動のたびに「持っててよかった」を実感できる
  • 家族で行く外食チェーン … 優待券で外食がお得に。配当とは別の“もう一つの果実”として家計に効く
  • 好きなアパレル・スポーツブランド … 応援している会社の株を持つと、買い物のたびに愛着がわく

こうした「身近で好きな企業」を持つと、株が一気に自分ごとになります。ニュースで業績を見るのが楽しみになるし、お店に行くたびに「ここ、株主だから応援してるんだよな」と思える。配当という数字の還元だけでなく、生活のなかで楽しめる還元があるんです。

利回りを少し譲ってでも、続けられるほうを選んだ

正直に言うと、こうした「身近さで選んだ株」は、利回りが理想の4%に届かず2%台のものも一部あります。だから前述のとおり、我が家全体の利回りは3.9%と、理想をほんの少し下回っています。

でも我が家は、それでいいと思っています。

利回りを限界まで追いかけてストレスを抱えるより、「好きな企業を応援しながら、優待で生活も少し潤って、楽しく続けられる」ほうが、結果的に長く運用を続けられる。続けられることこそ、投資でいちばん大事だと考えているからです。

数字を少し譲ってでも、自分が納得して持てる。これが、我が家の高配当株との付き合い方です。


なぜ約40銘柄に分けるのか

前回の記事でも触れましたが、我が家は高配当株を約40銘柄に分けて持っています。「そんなに分けて大変じゃない?」と思われるかもしれませんが、これには理由があります。

高配当株でいちばん怖いのは、持っている会社が減配したり、業績が悪化したりすること。もし1〜2銘柄に集中していたら、その会社がコケた瞬間、配当も資産も大きく傷つきます。

でも、いろんな業種に薄く広く分けておけば、1社が減配しても全体への影響はわずかで済む。「どこか1つがダメでも、全体はびくともしない」状態を作るために、あえて細かく分散しているのです。

特に意識しているのがセクター(業種)の分散。銀行ばかり、とか特定の業種に偏らないように散らしています。このあたりは前回の記事で円グラフ付きで紹介しているので、よければそちらも見てみてください。

本当の理想型は50〜80銘柄くらいなのですが、これからも徐々に買い増ししていけばいいかなと思っています。


デメリットも正直に——だから投信と「両輪」にしている

ここまで高配当株の魅力を書いてきましたが、もちろん良いことばかりではありません。正直なデメリットも書いておきます。

  • 株価の成長は、投信(インデックス)に劣りがち … 高配当株は配当を出すぶん、株価そのものの伸びはおとなしめ。資産を大きく増やす力は、オルカンのような投信のほうが上です
  • 減配のリスクはゼロにはできない … どれだけ慎重に選んでも、業績次第で配当が下がる可能性は残ります
  • 個別株を選ぶ手間がかかる … 投信のように「1本買えば終わり」とはいかず、複数の銘柄を見る必要があります

だからこそ我が家は、高配当株だけに頼らず、投資信託(オルカン)と両輪にしています。

  • 投信(オルカン) … 大きく増やす力が強い。教育資金・老後資金として長期で寝かす
  • 高配当株 … 配当で日々を潤す。生活のなかで楽しめる

このバランスがあるから、どちらかが不調でも慌てずに済む。「増やす力」と「潤す力」を分けて持つのが、我が家の考え方です。


日経平均の上昇に乗れなくても、気にしない

正直に言うと、我が家の高配当株の“土台”は、業績が安定した“おじいちゃん企業”——長い年月をかけて成熟した、堅実だけど派手さのない会社たちです。配当はしっかり安定している反面、こうした企業は株価が著しく上がることは、あまり期待できません

なかでも、いま絶好調の半導体関連の銘柄はほとんど入っていません。成長著しい人気セクターは、配当よりも株価の値上がりで応えるタイプが多く、高配当株の基準とは少し相性が違うからです。その結果、日経平均が大きく上がる場面でも、その上昇に乗れないことがよくあります。「世の中は株高で盛り上がっているのに、うちはそれほどでも……」という感覚は、正直あります。

でも、我が家はこれを2つの工夫でカバーしています。

① 「中小型株」を多めに組み入れて、成長の芽を持つ

成熟した大企業ばかりだと、どうしても値上がりは期待しづらい。そこで我が家は、時価総額が小さめの“中小型株”も積極的に組み入れています。実は、銘柄数でいうと中小型株が半分以上を占めるくらいです。

中小型株は会社の規模がまだ小さいぶん、これからぐっと成長して株価が伸びる可能性を秘めています。安定して配当を出す大型の“おじいちゃん企業”と、成長も期待できる中小型株——この2タイプをバランスよく組み合わせることで、「配当の安定」と「将来の伸びしろ」の両取りを狙っています。

(※中小型株は値動きが大きめですが、約40銘柄に広く分散させることで、1社あたりのブレを抑えています。)

② 半導体など成長株の旨味は「インデックス投資」で受け取る

そして、ここがいちばん大事なところ。高配当株で乗れない半導体やハイテクの上昇は、もう一方の柱であるオルカン(全世界株インデックス)でしっかり享受できるんです。

オルカンのような全世界株の投信には、いま絶好調の世界的な半導体メーカーや人気のハイテク企業も、当然組み込まれています。だから「高配当株が日経高に乗れない」ぶんは、投信の側がちゃんと拾ってくれる。両輪だからこそ、成長の旨味も取りこぼさないわけです。

それでも、いちばんの目的は「安定した配当」

工夫はしつつも、我が家の高配当株のいちばんの目的は、やはり値上がり益ではなく、「安定した配当を受け取り続けること」です。

ここに高配当株の隠れた大きなメリットがあります。それは——株価をいちいち気にしなくていいこと。日々の株価が上がろうが下がろうが、配当が安定して入ってくるなら、それでいい。日経平均に一喜一憂せず、どっしり構えていられます。この精神的なラクさは、子育てや仕事で忙しい我が家にとって、想像以上に大きな価値があります。

値上がりを狙う部分はオルカンに任せて、高配当株は「株価を気にせず、配当を受け取る箱」と割り切る。だからこそ、両方を持つ意味があるのです。


どこで買う?——「売らない高配当株」は新NISAが有利

最後に、実際にどこで買うかの話です。

高配当株を「当分は売らず、配当を受け取り続ける」つもりなら、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは——新NISAの成長投資枠で買うほうが、断然おトクだということ。

NISA口座で買えば、配当金も売却益も非課税。一方、通常の課税口座(特定口座)だと、配当にも利益にも約20%の税金がかかります。せっかくの配当が2割も削られるのは、長く持つほど大きな差になります。

我が家も、高配当株はまず新NISAの成長投資枠で買い、枠を超えた分だけ特定口座で買い増しています。これから始める方でNISA枠に余裕があるなら、売らない高配当株はNISA優先がおすすめです。

そして、新NISAで高配当株を買うにも、まずは証券口座がないと始まりません。我が家は楽天証券(新NISAの中心)とSBI証券(特定口座での買い増し)を役割で使い分けています。どちらも口座開設・維持は無料なので、気になった方は無料のうちに開いておくと、いざ買いたいときにすぐ動けます。

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まとめ——「利回り」より「続けられるか」で選ぶ

最後に、我が家の高配当株の選び方をまとめます。

  • 狙う利回りは4%前後。高すぎる利回り(8〜10%など)は減配の罠を疑う
  • 数字のチェックは4つ … ①減配していないか ②配当性向が高すぎないか ③業績・財務が安定しているか ④利回りが妥当か
  • 数字だけで選ばない … 優待で生活が潤う・応援できる「身近な企業」を入れると、投資が自分ごとになって続けられる
  • 利回りを少し譲ってでも、納得して持てる銘柄を。続けられることがいちばん大事
  • 約40銘柄にセクター分散して、1社の減配に強くする
  • 日経平均の上昇に乗れなくてもいい。値上がりは投信に任せ、高配当株は株価を気にせず配当を受け取る箱と割り切る
  • 売らない高配当株は新NISAの成長投資枠が有利(配当も売却益も非課税)

高配当株というと「利回りの高さ競争」になりがちですが、我が家がたどり着いた結論は、「利回りより、長く続けられるかどうか」でした。好きな企業を応援しながら、無理なく配当を受け取り続ける。そのほうが、家計にも気持ちにも、ずっと優しいと感じています。

※繰り返しになりますが、この記事は我が家の体験と考え方の記録です。投資は元本割れのリスクがあり、特定の銘柄・商品を勧めるものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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